【実務経験者に聞いてみた】成年後見制度を利用したくないという方が一定数いることについてはどう思いますか?
後見人の横領事件や親族とのトラブルなどのニュース記事、SNSでの評判などを見ている限り、成年後見制度を利用したくないという方のお気持ちが非常によく理解できます。
障がいのある方の全員が生涯のうちに成年後見制度を利用する訳ではないですし、私の体感では福祉施設での生活が安定している多くの方には成年後見人は不要であるとも考えます。
成年後見制度を使いたくないという方は、親御さんが元気なうちに、お子さんのためにできる限り成年後見制度を使う必要がなくなるような対策をすれば、より安心できると思います。とくに相続対策などは早めにはじめておいてほしいところです。
もちろん、何らかの法手続きが必要になったり生活に大きな変化があったときに成年後見人が必要になる可能性は0ではないので、絶対の対策をというのは難しいかもしれません。
私としては今後成年後見制度を利用したくないという方の想いを叶える業務と並行して成年後見制度に対する市民の信頼を回復できるように、信頼できる後見人が増やしていくことにも尽力していきたいと考えております。
具体的には法人後見の立ち上げの支援などを行っているので、機会があればまたご報告できればと思います。
(司法書士法人AXIS法務事務所 代表司法書士 / 親なきあと問題相談室ファミリア 渡邉 護先生)
