運営 : 一般社団法人あしたパートナーズ

親なきあと問題について学び、他のご家族に相談できるコミュニティ

親なきあと問題について学び、他のご家族に相談できるコミュニティ「あしたね」

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きょうだいはどうすればいい、どこまで頼っていいもの?

親としては、本人のきょうだいに託したい気持ちはありますが、それぞれの生活もあるのでどこまでのことを頼めばいいのか、非常に悩みます。どう考えたらよいでしょうか。


A・本人の強力なサポーターです。ただし彼らの生活もあります。


障害者本人のきょうだいは、年齢も近く、本人の特性もよくわかっているので、強力な支援者です。きょうだいが、障害者である自分のきょうだいのめんどうを見たい、寄り添ってあげたいと言ってくれていれば、親としてはとても心強いことでしょう。


ただし、ぜひ心に留めておいてほしいのは、それが本心からの言葉かどうかをしっかり見きわめて、ということです。


障害者のきょうだいは、親が障害者の世話で手一杯で、あまり自分のことをかまってくれなかったと思うケースが少なくありません。親自身は分けへだてなく接したつもりでも、きょうだいの側からすると、疎外感を感じていたり、障害者のめんどうを見なくてはならないことに負担を感じていたりと、複雑な感情を抱えていることも多いものです。


「めんどうを見る」と言ってくれていたとしても、自分の生活や家庭があります。もしかしたら、そうしなければいけない、という義務感だけで口にしているのかもしれません。このような場合、親がなくなった後、きょうだいの家に同居していて、きょうだい側が障害者本人を虐待したり、必要な福祉サービスを受けさせなかったり、という悲劇につながる可能性もゼロではありません。


また、これもあまり考えたくはありませんが、障害者が相続した遺産や、障害年金をあてにしたりという、経済的虐待の話もときに聞こえてきます。


きょうだいや親族の場合、血縁関係があることにより、「めんどうを見ているのだから、このくらいはいいだろう」といった甘えが出やすいともいえます。もちろんごく一部の事例ですが、こういったリスクがあることはぜひ知っておいてください。

できれば、きょうだいなどを全面的に頼るのではなく、別に生活の場を設定したうえで、いつでも会って話ができるという、普通のきょうだいや親族との関係を、障害者の場合もつくっていければと思います。

(参考文献:「親なきあと相談室」渡部伸様HPより)